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 5月3日のボルトン対サウサンプトン戦を見ました。試合自体はスコアレスドローで退屈な試合だったんですが、監督の選手起用の面白さを垣間見ました。サウサンプトンの監督ゴードン・ストラカンは、右サイドに、29番のMFファブリス・フェルナンデス(Fabrice FERNANDES)を起用していたんですが、フェルナンデスは左利きの選手。通常右サイドには右利きの選手を置くのが定石ですが、彼はあえて左利きの選手を右に置きました。なぜか?

 フェルナンデスは、強力で精度の高いミドルシュートも打てるし、クロスの精度もいい。だから、切れ込んでシュートを狙うことが出来るポジションは、左サイドよりも右サイド。ここまでは、普通にサッカーを見ていれば気付くんです。スゲーなー、と思ったのはこの先なんです。

  オレも解説の金田さんの話を聞いてから気付いたんですが、右利きの選手を右に置くより、左利きの選手を右に置いた方が、クロスを上げる際に視界が広く取れる。すなわち、クロスの精度を上げられるわけです。つまり、長いボールを蹴る時って、利き足を一歩引いてから蹴るじゃないですか?ということは、必然的に引いた足の方に体を開くので、そっち側の視界が広くなって、蹴り易くなるわけです。それを考えた場合、右利きの選手が右サイドからクロスを入れるより、左利きの選手が右サイドからクロスを入れた方が楽に入れられ、より精度を高められるわけです。

  さらに、サウサンプトンには空中戦に強い9番のFWジェームズ・ビーティー(James BEATTIE)がいます。36番のFWブレット・オルメロッド(Brett ORMEROD)も、それなりにヘッドの打点が高い選手です。だからこそ、パスでつなぐのではなく、サイドから精度のいいクロスを上げるという選択肢が選ばれ、だからこそ、左利きのフェルナンデスは右サイドに起用されたのです。

フェルナンデスが左利きで精度の高いクロスを入れられるという事実。さらに、切れ込んでシュートに行けるというオプションがある。それを理解した上で、戦術的に得点が取れる可能性の高いポジションに起用した監督。この起用があったからこそ、相手DFは、フェルナンデスがクロスを上げるためにサイドを抜けていくのか、切れ込んでシュートに来るのか、迷うわけです。監督の持つ、卓越した戦術眼とは、こういうことを言うのでしょう。

 ちなみに左サイドには、丁寧なプレーとカバーリングに定評のある4番のMFクリス・マーズデン(Christopher "Chris" MARSDEN)が、起用されていました。彼はそれほどよいクロスを上げる印象はありませんが、なぜ彼なのか?それは左のSBに、イングランド代表でもある3番のDFウェイン・ブリッジ(Wayne BRIDGE)が起用されているからです。ブリッジが上がっていってクロスを上げる間、マーズデンが彼が上がったために空いたスペースを埋めるわけです。

 オレは多分、戦術を見る目は、まだまだ素人の域を出ないと思われますが、こういうところを見られるようになると、プレミアの試合を見るのがまた一つ面白くなります。現有戦力でいかに戦うか、どんな状況で、誰と誰を交代するのか、その理由は?効果は?ロングボールばっかり入れる理由とか、こきざみなパスばかり乱用する理由が見えてくると、そのチームの何が武器なのか、何が足りないのか、という部分が分かってくるのです。

 だ、だから、スコアレスドローのゲームを見ちゃっても、全然平気ですυ(大ウソ)

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