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 僕はプレミアを見始めたころから、リーズのファンだった。そしてこれからも、ずっとそうだろう。

 ハリー・キューウェルやマイケル・ブリッジスが今でも好きだ。イアン・ハートやマーク・ビドゥカは本当にすごいプレーヤーだし、ダニー・ミルズやアラン・スミスはダーティーだが、どうも憎めない。ダレン・ハッカビー、マシュー・ジョーンズ、リオ・ファーディナンド、リー・ボウヤー、ジョナサン・ウッドゲイト、特に最近のリーズの象徴とも言うべきハリー・キューウェルが移籍した時には、本当に頭にきた。引き抜いたリヴァプールの監督ジェラール・ウリエ、放出したリーズの会長ジョン・マッケンジーを死ぬほど呪い、その時からリヴァプールは宿敵となった。

  だが、しかし、本当の意味での宿敵は、リヴァプールではなかった。王者、マンチェスター・ユナイテッドだった。いつだって上を見れば彼らがいた。憎たらしくなる程の強さに、本当にイライラさせられた。

  それなのに、デイヴィッド・ベッカム(David BECKHAM)がマンチェスター・ユナイテッドを去るという話を、僕はにわかには信じられなかった。敵の主力選手がチームを去るという、喜ぶべき事態なのに、だ。
 正直に言おう。僕は取り乱した。信じたくなかった。

 嫌いだ。嫌いなハズだ。だって、Number風に言えば「残酷なほど美しい」あのプレースキックが、何度僕らのゴールを陥れた事か。何度、失望の起点になった事か。

 でも、本当は、分かっていた。分かっていたのだ。
 僕はベッカムが好きだった。W杯後は特に、にわかファンと思われるのがイヤだった。ミーハーには思われたくなかった。それでも、やはり、あの独特なフォーム、しなるような右足から繰り出される正確無比のクロスや、背筋がゾッとするようなフリーキックからのゴールに、僕は心底シビれていたのだ。

 ベッカム移籍が報じられた時、少なからぬ人は、彼のポジションが空いても問題はないと言った。彼はドリブルも下手、動くボールを蹴るのも下手、ディフェンスも下手だ。彼は『代わりはいくらでもいる選手』だ。というのが彼らの持論だった。

 だが、果たして本当にそうだろうか?クロスの達人で、フリーキックの名手。ユナイテッドのメディカルスタッフの話によれば、心肺機能と持久力はユナイテッドの全選手のうちで最高の成績だと言う。だから、試合の終盤になってからもフォアチェックの手を抜かない。それでも彼は、『代わりはいくらでもいる選手』なのだろうか?

 FWの選手によく言われる事で『89分間サボっていても、1分で仕事(=得点)をすれば、FWとして評価される』というものがあるが、ベッカムにはあてはまらないのだろうか?ベッカムはその旺盛な体力で90分のうち少なくとも30分間は仕事をしている。FWと攻撃的なSHの選手という違いこそあれ、前線で質の高いクロスを上げ、中盤でフォアチェックをして、時には最終ライン、ゴール前まで戻ってディフェンスに参加する。そしてフリーキックになれば必ずいいクロスか惜しいシュート、時にはゴールを生む選手を、そんな風に評価するのは妥当なのだろうか?

 考えてもみて欲しい。彼が所属していたマンチェスター・ユナイテッドは、イングランド有数のクラブだ。世界でも間違いなく3本の指に入るクラブだ。だからこそ、彼への評価が低い人々は、彼の重要性が薄く感じられているのだろうと、僕は思う。
 仮に、彼が今シーズン昇格してきた、レスター・シティやウォルバーハンプトン・ワンダラーズに所属していたらどうだろうか?(ファンの人ゴメンなさい)それでも彼は『代わりはいくらでもいる選手』と言われただろうか?答えは明らかにノーだ。選手の評価は、クラブの大きさによって惑わされてはならない。

 僕は、声を大にして言いたい。ベッカムは間違いなく、重要なプレーヤーだった。上質な選手だった。そして、ユナイテッドのキャプテンで、イングランドの英雄で、プレミアの象徴だった。
 だからこそ、プレミアを去るベッカムにこんなに郷愁を感じ、世界中をこんなにも騒がせ、心を惑わす『事件』となるのだろう。これはやはり、損失の大きさを物語っていると思う。

 7月には移籍に関する正式な発表が行われ、新背番号は23と発表された。背番号にはまだ、違和感をかなり感じてしまう、というのが偽らざる本音だ。

 だけど、真新しい白いユニフォームは、悔しいけれど、彼によく似合っていた。

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